東郷寺について
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元帥は自らの没後にこの土地に法華経の道場を建立する事と、発願の人たちの熱心な願いにより山号を聖将山とし、東郷寺とする事を承諾されました。元帥の滅後、東郷家より寄進された約五千坪の土地と、隣接する土地を購入し約一万二千坪を境内地と定めました。昭和十一年に「東郷寺建設会」が設立され、昭和十四年、公爵東郷元帥を開基とする東郷寺が誕生しました。
第二次大戦後、農地解放・本末解体などのあおりを受け消滅の危機を迎えた東郷寺を寺族の方々を中心として守り抜きました。昭和二十九年、元帥の浄願を達成するための第一歩として、戦没者遺族に対して供養のための墓所の無償提供を始め、昭和、平成、そして令和の時代を経て現在に至ります。
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東郷元帥と日蓮宗
東郷寺は東郷平八郎海軍元帥を開基とし、副開基を小笠原長生海軍中将とする、身延山久遠寺を総本山とした日蓮宗寺院です。東郷元帥は、法華経の崇敬者でもあり、大正11年の日蓮聖人への「大師号宣下奏請」運動の請願書崇敬者代表の初筆に元帥の名が残っております。
大正12年に元帥が隠棲の地として府中の当地を購入されました。晴天時に富士山が見え、その向こうに日蓮宗総本山身延山が位置しております。大正3年に東宮御学問所総裁に就任、大正9年に学問所閉鎖の後は、この地を農園別墅とされ、市ヶ谷麹町の本宅から馬に乗って通われたそうです。
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昭和9年5月30日に東郷元帥は88歳で薨去。6月5日に国葬され多磨霊園に埋葬されました。 昭和11年に東郷寺建設会が設立され、会長・加藤寛治海軍大将、副会長に小笠原長生海軍中将が就任されました。東郷家より府中農園別墅地の寄進をうけ昭和14年に東郷寺が建立されました。開基は東郷元帥、副開基は小笠原長生海軍中将、開山は日蓮宗管長大僧正酒井日慎聖人(池上本門寺)
昭和14年に海軍将校寄進により客殿建立、昭和15年に山門建立。しかし大戦勃発により昭和17年10月5日に落成慶讃法要を行うも東郷寺建設計画は一時凍結されそのまま終戦を迎えることとなりました。終戦後の消滅危機の中で東郷寺は寺族によって守り抜かれ、昭和29年より戦没者遺族に対して供養のための墓所無料分譲が開始されました。
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日蓮宗総本山
身延山久遠寺と東郷寺
当山は鎌倉時代中期の御家人で日蓮聖人の有力な大檀越であった南部実長公の流れを汲む名刹です。日蓮宗の総本山である身延山の広大な土地を寄進したことから、日蓮聖人が身延山に入山されたことを祝う6月の開創会(身延山入山行列、法王猊下と共に行列、御草庵法要)や南部実長公の命日である10月25日の圓師会には総本山身延山にて数十名の僧侶による大法要が営まれます。この法要には東郷寺の檀家の皆さま方のみ上檀に座し、特別にご参列いただけます。
久遠寺にある開基堂は1472年に建立された多宝塔で、身延山開基大檀越南部實長公をお祀りしてあり、身延町指定文化財です。以前は本堂前にあったそうですが、現在は大鐘横に位置しています。
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身照寺(宮沢賢治菩提寺)
と東郷寺
宮沢賢治の菩提寺として有名な岩手県花巻市身照寺は、身延山寄進・久遠寺開基の南部家が建立開基したお寺です。また当寺院住職、南部家の菩提寺でもあります。最古の身延別院を再興し、南部日実上人(現住職の父)は復興に尽力されました。宮沢賢治を支持し、南部家代々の墓所は宮沢賢治墓所の隣に位置しております。宮沢家とは賢治没後も弟の宮沢清六氏が来山なさるなど今も交流が続いております。
東郷寺の御朱印と御首題
御朱印は現代においては寺院・神社への参拝の証として参拝者へお渡ししております。聖将山東郷寺の御朱印は「妙法」と記されており、妙法とはこの上ない(妙)教え(法)を意味し、当山の宗派である日蓮宗では「法華経」の教えのことを指します。日蓮宗の宗祖である日蓮聖人が最も重要な仏教経典とされたのが「法華経」です。
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年中行事
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1月1~3日
新年祝祷会(初参り)
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3月17~23日
春季彼岸会(お彼岸)
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4月8日
釈尊御降誕会(灌仏会、花祭り)
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6月第3日曜日
開創会
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7月13~16日
盂蘭盆会(お盆)
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7月第4土曜日
お施餓鬼(灯籠流し)
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8月13~16日
月遅れ盂蘭盆会(お盆)
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9月20~26日
秋季彼岸会(お彼岸)
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10月25日
円師会(身延山合同参拝)
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11月3日
お会式
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12月第3土曜日
仏事納め
毎月第一土曜日に観櫻庵にて写経会を開催しております
年回表
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